2013年3月12日火曜日

第2回 3県合同研修会

3月12日




ということで、今日は昨年の11月に行った研修会のご報告でも。



遅いってな(笑)




昨年まで4人の算数隊員が3県で活動していました。



グアテマラの教育機関は基本11, 12月はバケーションでお休み。



そんな機会を利用して、ボランティアのいる県の先生方を集めちょっと大きな研修会を行っています。



一昨年からスタートした企画。本当はもう少し機会を増やしたいのですが、普段先生方が他県に行くというのは実はとても難しいことなのです。




日本はどうか分かりませんが、研修会があるからと言って学校に行かずに別なところへ、なんて骨の折れる作業。



まずは校長先生の許可。
その後は、市の教育長の許可。
続きまして、県の教育長の許可。
はたまた、移動先の県の教育長の許可。

大体最初の2つは簡単にもらえるのですが、その先がややこしくてややこしくて。



休暇に入ってしまえば許可を取る必要もないので、毎年この時期に開催、というわけなです。




今年も11月に開催する予定ですよ。






そして昨年はボランティアだからこそできる講義も取り入れてみました。
それは後ほど。



今回の研修内容は

島田ボランティアによる「指導書の使い方」
小島ボランティアによる「数をまとまりで考える」
カンテル市の先生による「算数ゲーム」
サンペドロサカテペケス市の先生による「最小公倍数」




今回の参加者はボランティアとある程度活動してきている方々。

そんな先生でも実はきちんと指導書を理解して使っているかと言われるとそうではないのが現状。



何となく指導書に書かれている通りにすればよい。

ということは分かっていても、どうしてそう書かれているのか、理論的に理解はしてないんです。




僕はいつもここに疑問を持っていました。

先生方が正しい知識を持って算数を教えることは大切だけど、指導書を正しく使えた時に子どもたちが算数をきちんと理解できるのではないかと。



まだまだ教師主体の授業が行われているグアテマラ。

児童主体を良しと考えるグアテマティカ。


児童が中心となって学習が進められる授業とはどういったことなのか、そんなことを指導書の読み方を通して講義させていただきました。






小島先生の講義では、数をまとめて考える、という考えを先生方が児童のように学んでいました。




2ずつ数える。
100ずつ数える。



日本の子どもたちは何の苦もなく行う数え方。



けれど、途上国ではそうではないんです。



数をまとめて数えるという指導を先生が受けてこなかったものだから、その大切さに気づかぬまま、児童に教えてます。


当然児童もその大切さを知らないまま大人になるんですね。




かけ算を教えても、割り算を教えても、足し算と引き算しか活用できなかったり、



6年生になっても指をおったり、紙にたくさん線を引いて数えたりと、頭をかかえました。




島田もよく同じ指導を先生にしますが、これが実に分かりやすい。




1枚目



この紙をぱっと見せるんです。そして隠す。


そして「何個円があった?」って聞くんです。



すっげーーーー!!!!!よく分かったね!!!!


なんて大げさに褒めてあげつつ、



2枚目


じゃあ「これは?」と、ぱっと出す。そしてすぐ隠す。



すごーい!!!!レベルアップしたのに簡単に答えれた!!!!





先生もここまでは得意げなんです。




次はとびっきり難しいからね…はい!!


3枚目



さて、円はいくつあったでしょうか。




ここからが本番です。遊びは終了。



先生方もちらほら答えを言いますが、何となくだったり、記憶を頼りに答えたり。



実は全部同じ数の9つなんですよね。


同じ数なのにどうして最後だけ答えられなかったのか。






最初二枚はどうしてと聞くと理由を言ってくれます。


3つの円が3グループあった。だから9つの円。

とか、論理的に答えてくれます。



が、3枚目のフリップを見せられた時、先生方はふざけたり冗談を言ったりし始めます。



きちんと答えられないことが恥ずかしいのでしょうね。



ここまで来たらこっちのもんです。




どうしてすぐに分からなかったのを皆で考えます。




結論として、円が全部ごっちゃになっていたから。

最初の2枚はある程度のまとまりになっていたから、一瞬見てもすぐに数えることができた。







だからまとまって数えることって大切なんだね。






はぁ〜…




これが先生方の反応(笑)

勉強になったね〜!!!




ボランティアは長く付き合っていないと、なめられることも多々あります。

だからこそ、彼らにはガツンと「教わる立場」でもあるということを認識してもらうことも大切になってきます。


何を教えてくれるのか、子どものようにボランティアを試してくる先生も多いのですよ。



動じず、毅然な態度で、ちょっと先生にジョブを入れつつ、褒めつつ、気づくとボランティアから勉強したくなる。




下準備が大変だけれど、とってもとってもやりがいのあるお仕事です。








なんか脱線しましたが、小島隊員もこの方法で先生方に講義をしていました。







カンテルの先生は以前行った在外研修で学んだ算数ゲームを紹介していました。


実直な先生です。


かけ算暗記は児童がぶち当たる壁の一つ。
楽しみながら、自然と覚えれたらいいですね。



ということで先生方も楽しそうにゲームしてました。

誰が一番だったんでしょう。



そしてうちの市から一人、初の研修担当。

ヘルベル先生。


緊張しながらも、得意の最小公倍数を研修していました。


まじめでお茶目で、冗談が好きなヘルベル先生。

いつも僕の言ったことを受け止め授業へ還元。
勉強も熱心ですし、自分から研修を行いたいと言ってくれました。



当日はがっちがちでしたが、それでも分かりやすく説明していました。



これからも彼には僕の助手として働いてもらいますよ。





そして今回の研修会は特別講義として栄養士の原さんに登場してもらいました。


いつもおいしいご飯を作ってくれます。



グアテマラの小学校では簡易給食が出ます。



けれどこれがひどい!!!



パンとタンパク質の飲み物とか栄養がなってない!!



彼女も学校の簡易給食を指導していますが、今回は多くの先生が集まる研修会で彼女に実践していただきました!!




安い!うまい!簡単!身体に良い!



4拍子そろった簡易給食は先生方に大人気でした。




その後いろんなところから作ったよ!という声が聞けてよかったです。





算数隊員がたくさんいるのに、ほとんど繋がりもなく過ごしてしまっている毎日です。



たまにこういう活動ができると、先生方だけではなくボランティアにもいい化学反応が起こります。



これからももっとボランティアと協力した活動を行っていきたいなって思っています。




って実は赴任したときからずっと思っているんですけどね(笑)




教室




0 件のコメント: