2014年5月20日火曜日

サン・ペドロ・サカテペケス市研究大会

5月20日(火)



グアテマラ時間、こんにちは。


日本時間、おはようございます。



どうも、がてじです。




ご無沙汰しております。




世界はいつも僕たちには無関心で、何をしてもしなくても明日は問答無用でやってくるんです。


今日は火曜日。


昨日は二番目に嫌いな月曜日でした。



一番は日曜日。だって次の日はもう休みじゃないから。



というわけで、研究大会が終わりました。日本文化紹介も終わりました。


ラスト3, 4日間は4時間寝れたら満足な感じでした。


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1ヶ月前から準備をした研究大会ですが、着想は2年前。


大きな算数セミナーを任地で開いて、いろんな人呼んで、僕も授業するし、成長した同僚にも授業をしてもらう。

そしてそれに対して、皆で議論し合う。


「授業研究」の大きなセミナー。



それが「研究大会」



きっと2年間じゃ無理だっただろうな。


1年延長したからこその集大成だったかと思います。


欲張りすぎた活動末期でした。


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僕は3年生の授業。

これは参加者全員が観る。




他には2, 4, 5年生の先生方が授業を公開してくれました。

こっちは参加者が3グループになって観る。




僕は2週間前から実際に3年生と授業をしました。




あの子どもたちと授業するのは実は初めてだったりもしてどうなるかな、なんて思っていましたけれど、やっぱ楽しそうに授業を受けてくれました。



こっちで授業をするとまず気づかされるのが、児童の「意欲」と「無秩序」さ。



紙一重すぎる両者ですけれど、無秩序ゆえに言いたい放題。


そうなると発表しづらい児童の意欲が育たず、結局できる子のみで授業が進んでしまう。


自分だけをみてほしいと思う気持ち、自分のことを褒めてほしいと思う気持ちに罪はありません。


ただ、学校ですから少しずつ年齢に合わせて社会的な行動が要求されるようになります。



算数はその点とても指導がしやすい。



難しい、どうしたらいいか分からない問題を、皆で意見を交えながら解き方を発見していく。


「僕はこう考えます、だってね…」
「それだったら、こうやったらもっと簡単かもね」

「ちょっと待って、それはこの問題に当てはならないよ」
「じゃあ別な考え方があるのかな」


なんて子どもたちが話し合いながら、気づいたら先生すらも追い越す考えが生まれたりする。


皆で協力しながら、お互いの意見を尊重しながら、けれど意思表明はしっかりする。



協調性。



だから算数は楽しい。


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けれど同時に児童の意見を引き出すことの難しさ。

スペイン語の壁。授業文化の壁。



児童の意見を拾うスペイン語力。

今でこそ何とか拾えますけれど、やっぱ何度か聞き返すし、児童に助けてもらったりしました。




そして一番は授業文化の壁。


こちらの授業は、伝統的なスタイルが先生がばーーっと説明して、児童はそれをノートに写して覚える。

よく聞く話ね。


ちょっと改善されても、やっぱ児童は先生が答えを言わないにせよ、ヒントや自分が何を考えたらいいかを待っている。

ここに至るまでにキリマンジャロ急の壁がある。

大体ここに到達すれば最高。



だから例えば先生が「何か気づいたことある?」って聞いても、何を観たらいいか分からない。

だったら先生が「数に関して何か気づいたことある?」なんてちょっと具体的に聞かないと無反応。



文化の壁ですから、やっぱ崩すには時間がかかります。


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けれどね、こないだ授業やって面白かったことがあったんです。



初めの授業はそりゃーわがままでした。


好き勝手発表するし、立ち歩くし。



それは今までの授業スタイルもありますので、少しずつ矯正していきました。



そしてですね、数日授業を持つとさらにいろんなことに気づかされるんです。



毎回授業後半から発表者が減るんです。


何でなんだろうって思ってたら、一人の子がボソッと「おれ、もう当たったもん」って言ったんです。



あ、そっか。



分かってても当たったらもう先生は当ててくれないから、あげる必要ないんだって考えたんですね。


確かにいろんな子が発表する教室であってほしいですし、実際いろんな子を当てていました。


そうすると彼らも気づくんですね、もう当たらないんだって。


なんて素直なんでしょうね。



その時は、たとえ当たっても、先生は誰が意見を持っていたかとか、考えがあるとか、授業に対する意欲とか、いろんなものを知りたいから、一回当たったからって諦めてほしくないな。と伝えました。


先生は絶対答えは言わないから、誰も発表しないと授業は進まないよ。皆で考えようよ。分かっている子どもだけで授業は終わらないよ、分かってない子もいるかもしれないから、そういった友達にも考えるヒントを与えようね。



その時から授業全体で発表数が減らず、むしろ皆楽しそうに発表してくれるようになりました。



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別な授業の話ですけれどね、


80 ÷ 4 =


を勉強したんです。



グアテマティカでは、10の塊が8つあってそれを4で割るから答えは20となる、と教えるんです。



そこから、


12 ÷ 6 = 2


でも考えてみようってなり、


120 ÷ 6 = 20


ときまして、つまり0を12に加えただけで、答えは0が増えたものになる、というものなんですけれどね。


考え方を確認したら、機械的に考えることも早く計算する上で必要な技術。




皆0を増やす意見を出してくれたんです。

そしたら一つのペアが、「先生、120から0をとったら、答えは最初の式になるよ」って言ったんです。



早速皆と共有。


逆の発想が子どもから出てきたのはビックリしました。

ものの見方が広がった瞬間でした。




その後に楽しかったのは、「じゃあ0をもっと増やしてみない?」ってなった時に、1,200から12,000まで進んだんです。12,000は教科書外の内容です。



3年生で1万の数は扱いません。当然、読み方が分からない。けれど答えは出せるんです。


4年生の内容が解けるんだね、って自分たちのやっていることの凄さを感じられる瞬間でした。



さて、まだ習ってない内容なので、12,000の読み方が分かりませんでした。


すると一人の男の子が、


「先生、あの数字って何て読むの?」



と言ったところで授業時間終了。



明日確認しようか、と告げて終了。



何て読むんだろうっていう疑問から、だいたい何人かは読めるんですが、読めた時は「凄いねこれは4年生で勉強するんだよ」って褒めてあげれますしね。こうやって読み方を確認して授業に入りました。



規則性を発見することは算数の中で育てたい能力の一つで、それを活用していった時に生まれる疑問を皆の知恵で解決する。


あの時は楽しい授業でしたな。


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80 ÷ 4 = 20を考えるとき、実は授業が硬直したんです。


子どもたちはどう考えたらいいか分からなかった。


8 ÷ 4 = 2をどう活用したらいいか分からなかったんです。




だからペア学習に切り替えたんです。


横の友達と話していいよって。



皆自分の分かんないところを共有したりするんです。


そうすると自然と考え方が出てくるですよね。



嬉しいのは「先生、自分たちの考えノートに書いていいの?」という質問。



僕の授業では必ず"mi idea"(自分の考え)コーナーを用意するんです。

そこに自分の気づいたこと、考えたことを書かせます。


そうすると自分の考えが記録として残りますし、発表もしやすくなりますし、後でノート点検した時に評価することもできますしね。



グアテマラだとこういったことも全然行われないんですよね。



僕が書きなさいって言わなくても子どもたちが自主的にノートに書くようになる。

嬉しいじゃないですか。




研究大会までの2週間なのに、子どもたちってガラって変わるんですね。



ものすごくびっくり。


けれど子どもの無限の可能性を感じる2週間でもありました。


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研究大会当日、彼らには全然緊張がなさそうでした。


僕だけ?緊張してるの?って感じ。


いつも通りに授業に参加して、いつも通りに考えて発表して。


結局やりたいことの半分もできなかった授業でしたが、子どもたちがたくさん意見を持って発表する授業は先生方には新鮮だったのかと思います。


もっとかっこいい授業したかったなーって悔やみきれませんが、ってかものすごく後悔。思い出すだけで恥ずかしい。


ばっとやって、ばっと終わって、やっぱボランティアすげーってなりたかったですが、現実はうまくいきませんね。チーン。




けど楽しかったです。だって何回も言いますけどあの子たちが自分たちの意見を持つことに慣れて、それを発表したくてうずうずする姿が授業中にたくさんあったから。


自分の意見を探す為に、友達と相談してあれってそうかな?なんて考えて。


先生、あれって何て呼ぶの?とか聞いてきたり、面白い意見あったり。




球体を探すのに、バスケットゴールをしきりに指差す男の子。



投影的に物体を捉える力を持っているということ。

これもれっきとした図形の捉え方。



他に面白い考え方と思ったのが、立体の空間を捉える方法。

例えば、三角柱。


子どもにとっては天井は三角柱なんです。

確かによくある屋根(二枚の板を斜めに合わせるた天井)は、あの状態では平面図形でしょうね。


つまり、開いた図形なんですね。

立体にするには平面図形を組み合わせて、「閉じ」ないといけないんです。


けれど天井の下と横2つに板を組み込んだら、それは三角柱になります。




ある子どもは円柱を「井戸」に例えたんです。


こちらも開いた図形ですので、正式な立体ではないですが、これは井戸の中の部分を取り出したら円柱ですよね。

井戸自体は円柱ではないけれど、井戸に囲まれた部分を観れば円柱です。



両者とも凄く不安定な考え方ですけれど、あと一歩な感じもして応援したくなる。




まだまだ平面図形の概念が構築されていなかったということがグアテマラの抱える問題を浮き彫りにした授業でしたが、そういったところも事前研究で考えるべきところでした。


「四角形」一つとってもそこには「正方形」や「長方形」が存在します。

彼らにとってはどちらも「しかく」


まだまだ平面図形の概念が備わっていませんでした。


だから正方形の数を聞いても、長方形を数えてしまう。



もっともっと子どもたちのこと知らないとだめでした。チーン。


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僕以外の授業、つまり2, 4, 5年生の現地の先生の授業はそれはそれはおもしろかったそうですよ。


いいなー。


事後検討会も盛り上がったららしいですしね。



25年度3次隊のルーキーが担当した「授業研究」「学習指導案」の講義も観ることができなかったし。




やっぱね、運営者つまんない(本末転倒)



一番は参加者だよ、うん。



参加者で参加して、講義も聴いて、授業を観てコメントして。



運営側って終わってもダメだったところしか観れないし、微妙な達成感しか感じられないし、皆から頂く褒め言葉もお世辞にしか聴こえないし(卑屈なだけか)


少しずつ終わった感が来るのを待つしかないんですよね。



今日、終わらなかった授業研究の授業をして、ようやく「終わった…」って心からつぶやけた。




反省は反省でこれからしっかりしますよ。



これからもグアテマラで研究大会が行われて、どんどん大きくなったら嬉しいですな。



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ということで、ほぼ完全に終わった現在(経理や報告書がまだ残ってるんですよね)


気持ちは帰国に向けて準備。


残り一ヶ月でやりたいこと、やらなきゃいけないこと、もうどうでもいいやって思ってることを片付けないと。


一番どうでもいいと思ってるのが部屋の片付け。

今きれいにしてもすぐに汚くなるんですよね。もういいや腐海での生活(爆)



そうそう、さっき横浜市の教員採用試験の申請書を提出しました。



これが帰国に向けた一歩です。




試験勉強、こっちでできるかな。


帰国して1ヶ月しかないけれど、やるだけやろう。応援してくれる人たちもいるのでね。



日本文化紹介についてはまた次回。



気づいたんですけど、研究大会中一度もカメラ持たなかったから、一枚も写真ないんですよね。


無念…


またいつか皆からデータもらった時にでも。




そんな感じ。




がてじろう

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